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◆ ◆ ◆
【 聡 】
【 智也 】
【 遊佐 】
【 周藤 】
足を踏み出したその瞬間、足下でつるっと滑る感触がした。
「え」
気付いた時には、もう右足は前に滑り出していて…
でも、左足は踏み出した状態で宙に浮いたままで…
「う、わっ…」
ぐるっと視界が回転する。体が不安定な緊張に襲われて、指先がサッと冷たく痺れた。
転ぶ…!
………と、思った矢先、肩をがっちりと掴まれる。
ハッと後ろを振り向くと、周藤先生が私を背中から抱きとめてくれていた。
「…水か?誰かがこぼしたな」
「あ……せん、せ」
私の体は不自然に傾いたまま、先生の手に支えられていた。
慌てて、重心を戻して、立ち直る。
「あ、ありがとうございます」
「いや、怪我が無ければ良い」
少しホッとしたような顔の先生。
…意外に、運動神経いいんだ。転ぶ寸前から走って、受け止められるなんて。
それに…すごく、強い力だった。未だ収まらない動悸に胸を抑える。
転ぶのなんて…何年ぶり?
「…どこか痛むのか」
「え?いえ!大丈夫です!すいません……」
(C)aromarie